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速さではなく、安全で競うべし! 4月25日午前9時20分頃、JR福知山線塚口−尼崎間で起きた脱線事故は、多くの尊い命を奪い、さらにたくさんの方々が負傷されました。亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、負傷された方々に対してはお見舞いと一刻も早い回復を祈念します。 ■今回の事故について言っておきたいこと(募集中)
■以下、青木が書いたもの。 さて、今回の事故ではさまざまな方が被害に遭われたわけですが、この電車が同志社前駅行きの直通快速列車であったことからもお分かりいただけるとおり、私がこの3月までおりました、同志社大学の学生が多数犠牲にあっている模様です。同志社大学の発表によりますと、2名の方が亡くなられ、22名の方が負傷されたとのことです。亡くなられた榊原怜子(さかきばら れいこ)さん(社会学部メディア学科1年次生)と長浜彩恵(ながはま さえ)さん(法学部法律学科2年次生)には、ともに面識はありませんが、かつて同志社に通っていた者として、非常に悲しい限りです。関係者の方々に、心からお悔やみを申し上げます。 事故を起こした列車は7両編成でしたが、終点の同志社前まで行くのは前4両で、したがって、同志社に通う人なら、前4両に乗車するのが通常です。また、同志社前駅執着の列車の場合、先頭車両に乗車するのが同志社前駅で降りる際にもっとも便利で、事故発生以降、現場の上空写真などを見ながら、心配しておりました。しかもこの列車は、2限目からの授業に出席するにはちょうど良い時間帯でもあり、同志社大学京田辺キャンパスは、文系学部の1・2回生のほとんどが通っていて、2限目と言えば語学や一般教養科目の比較的多い時間帯でもあったので、この電車を利用する学生が多かったのではないかと思います。 同志社大学だけでなく、京都女子大学や龍谷大学に通う途上で事故の被害に遭われ、亡くなられた方がおられます。学業に従事する者としては、将来ある若者がこういった形で命を奪われることに対し、悲しみのみならず、怒りを覚えざるを得ません。 さて、私は視覚障害者の歩行の自由と安全を考えるブルックの会(通称:ブルックの会)というところで、副代表をしております。この団体では、視覚障害者の駅ホーム転落事故等の問題を扱い、各鉄道事業者に安全対策を要望するなどの活動を行っています。皮肉な話ですが、25日はJR西日本に対して要望書を提出し、それに対する話し合いがもたれる予定になっていました。 この団体では、視覚障害者の駅ホームからの接触・転落事故についての裁判、佐木訴訟を支援する活動を行ってきました。私たちは、ブルックの会を通して、佐木訴訟を通して訴えてきたことは、確かに視覚障害者の安全な駅利用ですが、決して、視覚障害者以外を排除したものではありません。誰もが安全に利用できる駅づくりを、という事が、私たちの活動の目標なのです。 ここで思い起こされるのは、佐木訴訟で被告側(大阪市)が出してきて、大阪地方裁判所が何の躊躇もなく追認した形となった、「大量高速輸送の円滑」ということです。結局、今回の事故でも、円滑な輸送を意識したあまり、大惨事を招いてしまったのでしょう。置き石説もありますが、乗客の証言などから、速度制限違反はほぼ明らかです。テレビで話していた専門家の話では、ダイヤ通りに運転できないことは運転手の恥、らしいのです。しかし、こんな事故を起こしてしまったことは、運転手のみならず、会社の恥です。 今回の事故は私たちに、あるいは社会に何を訴えているのでしょうか。 「安全」と「定時運行」「大量高速輸送」を秤にかけ、安全を軽視してきた鉄道事業者のやり方に、もはや「NO!」を言うときが来た、というべきでしょう。そして、先のような二者が秤にかけられていること自体が、ナンセンスだという事を、(裁判の時同様)訴えていく必要があるように思えます。 速さではなく、安全で競いましょう! ◆「置き石説」について 私は、「置き石説」を否定しています。報道等で、この説を支持する専門家(らしき人)の見解もありますが、いずれも説得力に欠けるものです。また、乗客の証言からも、スピード違反はほぼ間違いないと言えるでしょう。また、「置き石説」を声高に主張するのはJR西であり、JR西にとって、今の状況でもっとも都合の良い説なのです。車輪とレールがこすれたのか、レールの下に敷いてある石を吹き飛ばしたかのいずれかでしょう。置き石説は、JR西日本にとって、自らの過失を軽減させる効果をもっており、責任を何者かに転化させるという、今非難が集中している自社にとって、誠にもってご都合のよろしい説でしかないのです。 ◆JRの態度をどう考えるか さて、今回の事故については、高速輸送の円滑や定時運行ばかりを強調し、乗客の安全を軽視しているJRの態度。これを改めさせることが、もっとも重要なのです。スピード違反が原因でも、運転手を捕まえて仮に同人を死刑にしたところで、何も解決にならない。ある意味、言ってみれば、運転手も被害者なのです。「定時運行しないといけない」という気持ちが冷静な判断をでき無くさせたのです。比較するのが適当でないことは十分分かっていますが、私は「電車でGO!!」というゲームが好きで、時々やっていますが、ダイヤが遅れているということになれば、仮にゲームでも焦ります。速度制限を違反することも度々です。ゲームだから「ゲームオーバー」ですみますが、それがリアルに起こるというのは、あり得ないとは言えないことです。 今回の事故は、決して運転士により起こされたのではなく、そういう焦りを起こさせたJR西日本の経営方針、そしてその根幹となる、乗客の高速輸送に対する過剰なニーズがあるのではないかと思うわけです。JR西の悪しき体質を、そして世論をも変えていくためには、不買運動に準じた運動を起こす他ないのではないかと思うわけです。 速さを競うのではなく、安全を競いましょう。 私鉄との競合区間で、速い余りJR西を選ぶ人が多く、それ故にJR西は、これまでのやり方を改めるどころか、ますますそのやり方が正しいのだと過信するのです。競合区間で、例え速くとも、JR西が選ばれないとすれば、あんな危険なのには誰も乗らない、という事になれば、会社の方針も変わってくるでしょう。 したがって、私はJR西への抗議の意味も込めて、JR西と私鉄との競合区間については、私鉄を利用するように致します。無期限にこの運動を続けます。 乗りません、使いません、JR西日本! 別にJR西に何か恨みがあるわけでもないし、派手にキャンペーンをやる気もなく、自分で勝手にやるだけです。しかし、一緒にやろうという方、どうぞ。 主な該当区間 (代替利用路線) 東海道線 京都−三ノ宮 間 (阪急・京阪) 福知山線 大阪−宝塚 間 (阪急) 環状線 全区間 (地下鉄) 阪和線 天王寺−和歌山 間 (南海) 奈良線 京都−奈良 間 (近鉄・京阪) 大和路線 JR難波−奈良 間 (近鉄) 東海道・山陽線 大阪−姫路 間 (阪神電鉄と山陽電鉄直通特急) *とくに東海道線と福知山線は危険なほど高速です。 速さではなく、安全で競いましょう! ◆JR西日本は隠蔽していた −不正発覚の序章 本日午前の会見により、早速JR西日本が不正をやっていたことがばれました。8メートルのオーバーランは、実は40メートルでした、とのこと。呆れてものも言えません。 運転手一人を責めることはしないと書きましたが、JR西日本は、こういう運転技術が未熟な人にでも、平気で運転させている会社のようです。 ◆事故前の2週間 1秒単位で遅延調査実施 信じられないことがどんどん明らかになってきます。以下のような記事がありました。 <尼崎脱線事故>事故前の2週間 1秒単位で遅延調査実施 尼崎脱線事故で、脱線した電車の運転士が所属する京橋電車区を管轄するJR西日本大阪支社が事故前の2週間、JR尼崎駅発着の全列車について1秒単位で遅延状況を把握する調査を実施していたことがわかった。今回の事故を巡っては、運転士が遅れを取り戻すため、制限速度を超えるスピードを出していた可能性が出ている。 (毎日新聞) - 4月26日15時10分更新
常軌を逸しているとしか言えない状況に思えます。 私は京都市内という、一応都会に住んでいますが、京都は都会にしては鉄道が少なく、移動はバスが主流のところです。そして地元ではよく知られる事なのですが、京都市バスのダイヤは一応あるものの、観光シーズンには、あってないようなものです。前のバスが10分遅れているのか、次のバスが5分早いか分からないような運転です。(ひどいときには、2〜3台、団子になっていることも) そのため、多くの人たちは余裕をもって行動しているし、ダイヤ通りじゃなくても、誰も文句を言いません。 そういうところで暮らしているということもあるのでしょうが、1秒単位で遅延状況の確認など、普通では考えられないことです。「安全運転どこへやら」って感じですね。 尼崎駅の状況を考えると、ダイヤの正確さが求められている状況はある程度理解できますが、あえて直通運転にこだわる余り、複雑になってしまい、どこかが遅れると、他も遅れる、というシステムになってしまっているのです。例えば、京都から阪急で宝塚方面に行くなら、途中の十三(じゅうそう)で乗り換えないと行けませんが、別に、それが嫌だ、という事はありません。なぜ、あんな過密ダイヤの中、そういった複雑なことをしないといけないか、やはり疑問です。 高速化、それに伴う車体の軽量化という話が出ていますが、昨年の新潟地震で脱線した新幹線の車両は、国鉄時代に製造された旧式の車体で、最新の車両より随分重いと言われています。しかし、そのおかげで、傾いた程度ですんだ、という説もあります。もし最新の軽量車両なら、折れ曲がっていたかも知れない、と。 ちなみに、昨年の10月23日は東京におり、かなり大きな揺れを感じましたが、東海道新幹線には影響がないという事で、地震の1時間後くらいに東京を発ちました。何も分からず、先頭車両の自由席に座っていたのですが、京都に帰ると、テレビで傾いた新幹線が映し出されていたので驚きました。 かつて、運転もしたことがあるというJRの社員と話したことがあるのですが、最近の車両は、軽量化されていて、デザイン重視。昔、ご自身が運転していた頃主流だった旧国鉄時代に製造された車両は重いし、デザインも大したことないが、ブレーキの機能などは抜群。だから耐用年数も長いのだ、という事でした。 最近の方向性は、何か違っているような気がしてなりません。 あなたは、これでもJR西日本に乗りますか? UP:20050426 REV:20050427,29 |